統計解説

11月のサービス産業活動指数 2か月ぶりの上昇

幅広い業種で上昇も戻りは弱く


 2019年11月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値105.4、前月比1.3%と2か月ぶりの上昇となった。
 サービス産業活動は本年9月に前月比2.3%と、大幅な上昇をみせた後、10月は一転し、前月比マイナス5.2%と、大幅な低下となった。11月はそこから反発し上昇したものの、10月の低下幅を考えると、まだ十分戻ったとは言えない。11月の指数値105.4は、9月、10月と大きく上下に振れる前の8月の指数値107.2や、8月時点でのトレンドを表す後方3か月移動平均値107.0と比べても、いまだ低い水準にあり、今後のさらなる回復を期待したい。

生活娯楽関連、小売業など寄与

 11月の業種別の動きをみると、8業種が前月比上昇、3業種が前月比低下という結果となった。

 特に上昇寄与が大きかった業種は、生活娯楽関連サービス、小売業、卸売業が挙げられる。10月も、この3業種は低下寄与業種として上位に挙がっていたことから、10月に大きく低下した業種が11月に戻した形となっている。
 生活娯楽関連サービスに関しては、11月は前月比4.2%上昇した。前年より試合数・ツアー数が増加したことで観客数が増加したプロスポーツ(スポーツ系興行団)や、気温高による客足の増加がみられた「食堂, レストラン, 専門店」などが上昇に寄与した。これらの結果、11月は10月の前月比マイナス6.8%低下から戻した形だが、10月の低下幅を考えると、さらなる回復が期待される。
 小売業は、前月比4.5%と、2か月ぶりの上昇となった。特に自動車小売業、各種商品小売業、飲食料品小売業の上昇寄与が大きくなった。小売業は10月に前月比マイナス15.9%と大きく低下しており、11月はそこから戻した形である。ただ、10月の低下幅を考えると、いまだ十分に戻していない。
 卸売業は、前月比1.9%と、2か月ぶりの上昇となった。特に飲食料品卸売業や電気機械器具卸売業、自動車卸売業が上昇に寄与した。卸売業は10月に前月比マイナス8.8%と大きく低下しており、11月はそこから戻した形である。ただ、10月の低下幅を考えると、小幅な上昇にとどまっている。卸売業を小売業向けと産業使用者向けとに分けてみると、小売業向けは前月比1.6%上昇(10月は前月比マイナス7.7%低下)と戻りは弱く、一方、産業使用者向けについては、鉱工業生産・出荷の弱さもあってか、前月比マイナス0.5%(10月は前月比マイナス9.4%低下)と2か月連続で低下した。昨年12月の製造工業生産予測調査では、製造工業は12月、1月と上昇が続く予測となっていたことから、卸売業についても、今後産業使用者向けも含め、さらなる回復を期待したい。

対個人/対事業所サービスの動向

 サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができる。
 11月の対個人サービス活動指数は、指数値105.9、前月比1.7%と2か月ぶりの上昇だった。対事業所サービス活動指数は、指数値104.9、前月比0.6%と2か月ぶりの上昇だった。
 10月は広義対個人サービス、広義対事業所サービスともに前月比で大幅に低下していたが、11月はともに上昇した。とはいえ10月の低下幅と比べると戻りは弱い。

製造業/非製造業依存型事業所向けは

 対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算している。
 11月は、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比0.7%と2か月ぶりの上昇だったが、製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.5%と2か月連続の低下となった。
 非製造業依存型事業所向けサービス、製造業依存型事業所向けサービスは、ともに10月は大幅な低下をみせていたが、11月は前者は反発し上昇したのに対し、後者は引き続き低下となった。後者の低下については、11月は鉱工業生産・出荷も2か月連続低下となっていたことから、製造業の弱さが影響したようにも考えられる。

非選択的/し好的個人向けサービスは

 対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢などの影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算している。
 それぞれの動向についてみてみると、11月は非選択的個人向けサービスは前月比0.5%と2か月ぶりの上昇、し好的個人向けサービスは前月比3.1%と2か月ぶりの上昇だった。特にし好的個人向けサービスは、10月は前月比マイナス10.7%と大幅な低下だったことから、11月はそこから戻した形ではあるもののまだ十分な戻りではない。

基調判断は据え置き

 2019年11月のサービス産業活動指数は前月比1.3%と、2か月ぶりの前月比上昇だった。サービス産業活動は、9月には前月比2.3%と大幅に上昇した後、10月は一転、前月比マイナス5.2%と大幅な低下となっていたが、11月は再び戻した形である。
 11月は、10月に低下寄与の大きかった生活娯楽関連サービスや小売業、卸売業をはじめ8業種で上昇し、サービス産業活動の単月の上昇幅としてはやや大きめなものとなった。ただ、10月の低下幅を考えると、まだ十分戻したとは言い切れない。
 10月は消費税率改定に加え、台風19号等の被災や、鉱工業生産・出荷の低下の影響などもあり、サービス産業活動は大きく低下した。11月はそこから反発し戻したとはいえ、指数値はいまだ低い水準にとどまっている。
 一般に大幅な低下のあった後には反動増が生じることも多く、12月以降も、指数値は回復していくことが期待される。ただ、足元11月の状況としては指数の戻りは強いものではなく、今後サービス産業活動がどのように回復していくかは、12月以降の動きも見定めていく必要がある。
 このため、11月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「足踏みがみられる」を据え置き、引き続き先行きを注視したい。

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就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)