60秒解説

地球温暖化対策の新たな一手

技術開発へ向けたNEDOの取り組み ~メタネーション技術~

メタネーション試験設備


 地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)を再利用するカーボンリサイクル分野に熱い視線が注がれている。その中でも、火力発電所などで排出されたCO2と、再生可能エネルギー(再エネ)電力で製造した水素からメタンを合成する「メタネーション技術」の実用化が期待されている。
 このほど、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、国際石油開発帝石と日立造船と共同で、メタネーション技術の試験を開始した。

多くの優位性を持つメタン

 メタンは天然ガスとほぼ同じ成分で、都市ガス用インフラを使えるため、特殊な設備投資が不要だ。さらに、合成したメタンは天然ガスの代わりに、普段、家庭で使っているガスとして利用可能だ。試験は国際石油開発帝石の長岡鉱場(新潟県長岡市)の越路原プラント内の試験設備で実施しており、天然ガス生産時に排出されるCO2と、水の電気分解で得られる水素を原料にメタンを生成する。

世界初となる試験方法

 試験設備の“心臓部”である反応器には日立造船製のプレート型を採用した。内部に熱媒体の高圧水が流れるプレートを重ね合わせ、間に高効率触媒を充填することで、メタン合成の高効率化と反応熱の効率的な回収が期待でき、メタン合成設備の大型化にも適しているとされる。プレート型反応器を使用して、事業所内で分離・回収したCO2を使うメタネーション試験は世界初の試みだ。

メタネーション試験のプロセス(イメージ)

2030年以降の商用化を目指して

 今後は試験を通じて技術課題を検討・評価し、メタン合成能力の増強を念頭にした検討を進める予定で、商用化の目途は2030年以降としている。将来の地球温暖化対策の有力技術として、引き続き支援していきたい。

【関連情報】

CO2を有効利用するメタン合成試験設備を完成、本格稼働に向けて試運転開始-カーボンリサイクル技術の一つであるメタネーション技術の確立を目指す-

記事が気に入ったらいいねしてください! METI Journalの最新情報をお届けします!