統計解説

力強さ増す建設業活動指数

2019年5月は今年4回目の大幅上昇

 
 2019年5月の建設業活動は、前月比1.4%と2か月連続の上昇、指数値は114.3と、昨年1月以来となる114台にまで復帰した。これを超える活動量となると、建設業活動が大変活発な時期だった2017年8月の114.8までさかのぼる。
 前月比は、今年に入ってからの5か月のうち、実に4回目の1%を上回る大きめの上昇幅となっており、唯一低下となった3月も微減にとどまっている。昨年5月から昨年末にかけての8か月間は前月比微増1回、横ばい1回以外は前月比低下とほぼ一律な低落だったことから、これと比べれば、今年に入ってからの動きはきわめて良い動きにあり、この5月もこれを継続している、といえるだろう。また、昨年末の指数値は108.1だったことから、これと比べれば指数値は6.2ポイントと大きく上昇、今年に入ってからの平均増分は1.24ポイントと、この5月もさらに勢いを増している。継続性、強さの両面で、今後への更なる期待感を持たせる動きをみせている。

 最近の傾向値(後方3か月移動平均値)の推移をみると、昨年後半以降、速いテンポでの低落が続いていたが、今年1月の大幅上昇により上昇方向へ転じ、この流れが5月時点でも勢いを保ちつつ継続していることが確認できる。

民間土木工事や公共建築工事が上昇

 5月の建設業活動は、民間発注工事が前月比0.3%と2か月ぶりの上昇、公共工事が前月比0.3%と2か月連続の上昇となった。今年に入ってからの動きは、双方とも5か月中4回は前月比上昇で、かつ、指数値は2019年第1四半期値を大きく上回って推移している。民間発注工事と公共工事とも、今年に入ってからの動きは総じて順調な動きといえるだろう。
 内訳5事業でみれば、民間発注工事は建築工事が住宅、非住宅の双方とも前月比低下だったが、土木工事が前月比大幅上昇で民間発注工事全体を上昇に導いた。公共工事は建築工事が前月比上昇で、土木工事も前月比微減にとどまり、結果、公共工事全体では前月比連続上昇となった。

 各内訳5事業の動きを細かくみていく。
 民間発注工事では、住宅建築は前月比マイナス1.0%と2か月連続の低下だった。指数値は2か月連続で久方ぶりに順調だった第1四半期値を下回って推移しており、5月の指数値は104台を割り込む今年の最低値と、今後の動向が懸念される動きとなっている。
 非住宅(工場や倉庫など)建築は前月比マイナス1.6%と5か月ぶりに低下した。ただ、これまでの4か月間は連続で1%を超える大幅上昇で、4月の指数値は今基準内最高値を更新する142.7にまで到達しており、この反落的動きともみられる。第1四半期値を上回る140台と高い活動水準を維持しており、順調な活動が続いているものと考えられる。
 民間・土木は前月比9.0%と2か月ぶりの上昇となった。ここ3か月は大きめの上昇・低下を繰り返しており、動きが不安定な状況にある。ただ、4~5月の2か月平均値では、不調だった第1四半期値を大きく上回っており、わずかながらも復調の兆しがみられる。
 民間の非住宅建築と土木工事は民間企業の設備投資事業と想定されるが、この2事業を合わせた動きでみれば、今年に入ってからの動きは一貫した強い上昇傾向にある。
 公共工事では、建築工事(庁舎、学校、病院など)は前月比2.4%と2か月連続の上昇、土木工事は前月比マイナス0.4%の微減で2か月ぶりの低下だった。先月4月は、双方とも今年初めて低下となった3月の低下幅を上回る5%台の上昇幅だったことを踏まえれば、上昇した建築工事はもちろん、低下した土木工事も順調な動きといえるのかもしれない。第1四半期は、建築工事、土木工事とも四半期ベースでは久方ぶりに上昇に転じたところだが、その第1四半期の指数値を4月、5月と大きく上回る活動量をみせている。
 公共工事全体としてみると、前年同月比では、2018年1月以来、16か月ぶりに前年水準越えとなった。月単位の動きでみれば上下動が激しく不安定さはあるものの、低調だった2018年第4四半期と比較すると、ここ2か月の動きには改善の兆しが感じられる。今後もこの良好な動きが継続し、活動量が好況期の水準にまで復調することに期待したい。

「持ち直しの動き」を継続

 2019年5月の建設業活動は、2か月連続の前月比上昇、しかも今年5か月間で4回の前月比上昇で、いずれも1%を超える大きめの上昇をみせている。また、指数値も7期ぶりに上昇となった第1四半期値を大きく上回っており、昨年1月以来となる114台の水準近くまで復帰した。
 内訳事業では、ここ2か月ほど民間住宅建築工事の動きには弱さがみられるが、今年に入ってからの民間企業の設備投資関連工事は総じてみれば堅調な動きといえる。また、もともと月々の動きに不安定さがある公共工事も、不透明さは残しつつも久方ぶりの前年水準越えなど、改善の兆しもみられる。
 総じてみれば、建設業活動全体の5月の動きには、先月4月よりも明るさが増してきた。
 先月4月時点の基調は、不透明な側面はありつつも期待値を含め上方修正し「持ち直しの動きがみられる」としていた。この先月段階の期待どおりであったことを踏まえ、5月時点の建設業活動全体の基調を、引き続き「持ち直しの動きがみられる」と評価した。

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