60秒解説

経験と勘に基づいた材料開発からの脱却

マルチスケールシミュレーションシステムの適用の例


 これまで日本が材料開発において高い競争力を維持できたのは、長年の開発で培われた経験と勘によるところが大きい。しかし、近年のデジタル技術の進展により、AI(人工知能)を活用した材料開発へと潮流が大きく変わろうとしている。

機能性材料の開発は経験と勘が頼り

 最先端製品の性能は、利用する材料の機能(機能性材料)に左右されるといっても過言ではない。 日本はこの機能性材料の分野で高いシェアを確保しており、産業競争力の源泉となっている。しかし、現在の機能性材料の開発はこれまでの経験と勘によるところが大きく、日本が引き続き材料分野で国際競争力を維持強化していくためには、材料開発にAIを活用する動きをいち早く取り入れることが重要となっている。

AIを活用した材料開発力の強化に向けて

 今般、新エネルギー・産業技術総合開発機構の超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクトの一環として、産業技術総合研究所と先端素材高速開発技術研究組合が、これまで難しいとされてきた高分子分野を対象として、電子の移動など、9つの機能別のシミュレーターを共同開発した。今後は「誘電材料」、「高分子材料」、「半導体材料」、「機能性化成品(触媒)」、「ナノカーボン材料(CNT、グラフェン)」などの機能性材料の開発へのAIの適用が期待されており、シミュレーター等で作成したデータ群を学習させることで高度化されたAIを活用し、求める材料候補を導き出し、機能性材料の試作期間・開発期間を従来に比べて、20分の1にすることを目指している。引き続き、材料分野において開発が進むよう支援をしていきたい。

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