統計解説サービス業

訪日外国人は、国籍によって日本でのお金の使い道が異なる? 買物大好きなのは、やはりあの国??

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 日本を訪れる外国からの観光客の勢いは、ますます増加している。そこで、経済解析室で試作している訪日外国人消費指数を、平成28年の訪日数トップ3の中国(含む香港)、台湾、韓国の3カ国・地域別に集計して、その消費行動の特徴をみてみた。

訪日外国人の消費、やはりこの国が伸びている

 3カ国・地域別に集計した訪日外国人消費指数の年単位の推移をみると、やはり目を引くのは中国(含む香港)の動き。国・地域別試算ができる最初の平成22年から25年までは低調に推移していたが、26年に入って上向きに変わり、27年には急拡大を遂げ、28年には指数値559.5となり、22年の5倍以上に増加している。

        

 比較対象となる韓国からの訪日客の消費行動は、伸びてはいるものの、中国(含む香港)に比べて低位安定という印象だ。他方、台湾は、24年以降、順調に水準を上げているが、それでも28年は指数値395.7と、中国の勢いには到底及ばない。

 中国人の日本国内での旅行消費の爆発的な伸びは、まさに誰もが想像する、やはり、といった結果ではあるが、訪日外国人消費指数でみると、この5年ほどの期間で5倍以上の拡大をみせたということが分かった。

訪日外国人消費に対する中国のインパクトは

 では、この3カ国・地域からの訪日客は、どんな消費行動をしているのだろうか?平成28年の費目別消費の構成比を実額ベースで比較してみる。

 ここでも、やはり中国のグラフに目を奪われる。中国人の28年の日本での旅行消費額(全体)は1兆7701億円だが、そのうち買物代は8979億円と過半(50.7%)を占めている。旅行消費額(全体)に占める買物代の割合は、韓国が27.8%、台湾が37.4%なので、中国の高さは相当なものだ。

 また、全国籍トータルの同年の旅行消費額(全体)は3兆7476億円、うち買物代は1兆4261億円となっており、中国人の消費額は、全国籍の旅行消費額(全体)の47.2%、買物代に至っては63.0%をも占めているということになる。

 中国人の爆買いが一時話題となった一方で、最近はその爆買いも終息したなどといわれているが、中国人の日本での買物消費額は28年時点でも他国に比べてかなり高い状態であり、購買意欲はまだまだ健在といえるかと思われる。

     

国内の外食産業への寄与をみると

 訪日外国人消費指数は、サービス産業(第3次産業)活動指数と比較可能なものとなるように設計しており、訪日外国人の旅行消費額が日本の個人向けサービスに及ぼす影響度を計測することができる。

 実は、消費費目別でみると、外食産業に対する訪日外国人消費の寄与が大きいことがわかっている。今回注目している3カ国・地域別寄与を試算してみると、平成22年以降で最も寄与が高かったのは27年で、「飲食店,飲食サービス業」の前年比0.8%に対する3カ国・地域の寄与合計は5.56%ポイントと非常に高く、中国はそのうちの4.13%ポイントと、ここでも中国の影響の大きさが際立つ結果となった。

 28年は「飲食店,飲食サービス業」の前年比マイナスに対し、3カ国・地域の寄与は小さくなってはいるが、プラスを維持している。この状況をみると、外食産業は、訪日外国人消費、特に東アジアからの訪日客が日本人客の不振を補ってくれていた分野だったということができる。

 日本での飲食と言えば「和食」。「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されてから早3年半が経った。日本での食事を一つの目的として、東アジアに留まらない世界中の人々が日本を訪れるような「和食需要」が今後も伸びてほしいものだ。

     

関連情報
「訪日外国人消費指数の動きと季節変動パターン」(2017/4/4ミニ経済分析)

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