統計解説

回復の兆しなお遠く マイナス続く建設業活動指数

2018年12月は前月比2.1%減

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 2018年12月の建設業活動は、前月比マイナス2.1%と2か月ぶりの低下、指数値は108.2となった。12月の前月比低下幅は大きく、3か月ぶりの上昇だった先月11月の上昇幅を大きく上回るものだった。指数値は先月復帰した110台の水準を再び割り込み、2018年1年を通じての最低値となった。12月の指数値は、2016年初頭頃の水準にまで降下したことになる。
 建設業活動指数は、2017年春を活動のピークに低落傾向にあり、この12月に至ってもこの基調に変化はみられなかった。
 下の図で傾向値(後方3か月移動平均値)の推移をみると、速いテンポでの低落が今なお続いていることが確認できる。

 第4四半期(10~12月期)では、前期比マイナス1.7%と2期連続の低下、マイナス2%を超える大幅低下で低調だった第3四半期をさらに下回る活動量だった。指数値は109.3と、2016年第4四半期以来となる110台の水準割れとなった。
 2018年通年では、前年比マイナス1.9%と3年ぶりの低下、指数値は111.8に降下した。
 

11月の上昇打ち消す

 12月の建設業活動は、民間発注工事が前月比マイナス0.9%の低下、公共工事が前月比マイナス4.4%の低下と、ともに2か月ぶりの低下となった。双方ともここ4か月で3回目の前月比マイナスと低調な動きが続いている。12月の建設業活動全体の前月比低下幅に対し、民間発注工事が1/4、公共工事が3/4ほどのインパクト割合となっている。

 民間発注工事では、住宅建築は前月比マイナス0.6%と3か月ぶりの低下だった。先月11月段階ではわずかながらも下げ止まりの兆候もあったが、当月は再び低下に転じた。ただ、内訳事業のなかでは、唯一、第4四半期が前期比プラスで、しかもプラスとなるのは実に6期ぶりのこととなり、引き続き今後の動きに期待したいところである。
 非住宅(工場や倉庫など)建築は前月比マイナス0.9%と、今基準内最高値を記録した2018年7月以降は、5か月連続で低下と低調な動きが続いており、活動水準は高いながらもその下降テンポは速いものとなっており、頭打ち感は否めない。
 民間・土木は前月比マイナス4.6%と2か月ぶりの低下となった。月々の変動は大きいながらも2017年4月以降は活動が活発化、指数値は100台の水準での推移が続いている。しかしながら12月の指数値は、この当該期間のなかでは2番目に低い水準にまで落ち込んでいる。
 企業の設備投資関連工事といえる民間発注の非住宅建築と土木工事は、この12月は双方とも低調な結果となった。
 公共工事では、公共・建築(庁舎、学校、病院など)は前月比マイナス4.3%の低下、公共・土木は前月比マイナス3.9%の低下と、ともに2か月ぶりの低下で、低下幅もかなり大きなものだった。建築と土木とも、ここ4か月で3回目の前月比低下で、今年度初頭となる2018年4、5月頃をピークに活動水準が大きく下降している。月単位の動きには不安定さがあるが、ならしてみれば、建築工事、土木工事ともに弱含みの動きにあるようだ。

2018年通年では3年ぶりの低下

 2018年通年では、建設業活動全体は3年ぶりに低下に転じるなど、変調がみられた。一方、2018年末にあたる12月の建設業活動は、内訳5事業すべてが低下するなど、全般的に低調であった。
 ここで、建設業活動の内訳5事業に関して、2018年年間の動きはどうだったのかをみてみる。
 民間発注工事と公共工事に2分してみると、民間発注工事は前年比横ばい、公共工事は前年比マイナス4.9%と大きく低下した。公共工事の不調が建設業活動全体の低下に大きく響いたことになる。
 民間発注工事の内訳をみると、非住宅建築が4年連続上昇、土木工事が6年連続の上昇と、いわば民間企業の投資関連工事は好調だったが、住宅建築は3年ぶりの低下と低調だった。個人投資と企業投資で明暗が分かれた様相である。

 他方、公共工事の内訳をみると、建築工事が3年連続の低下、土木工事が2年ぶりの低下と、ともに低調だった。特に土木工事は、2018年の建設業活動全体の低下分を単独で説明できるほど、インパクトは大きなものであった。

 さらに内訳5事業について、2018年年間値と2017年度の最終月となる2018年3月値、2018年の最終月となる当月12月値、2018年年間の最高値を比較してみたのが、下のグラフである。

 これをみると、内訳5事業いずれもが12月値が3月値を下回っており、年度初めから年末にかけての活動量には勢いはなく、民間住宅建築を除き強い低落傾向にあることがうかがえる。
 特に土木工事や公共工事は、3月から12月にかけての低落が顕著であり、かつ、年間最高値を大きく下回るなど、じり貧傾向はより強いものとなっていることがみてとれる。また、非住宅建築は、他と比べ高い活動水準域で推移したものの、他の事業同様に下降傾向にあることがわかる。他方、住宅建築は、活動水準は一定度を保っているが、活動自体の勢いという面では、まだ弱いように感じられる。
 このように、建設業活動全体では弱含み傾向が続いているが、内訳5事業のうち4事業が同様の傾向にあり、今のところ他の不調を補うような事業がみられない状況下にある、といったところだろう。

弱含み傾向続く

 2018年12月の建設業活動は、再び前月比は低下に転じ指数値は2016年初頭頃の水準にまで降下した。
 内訳事業でも、5事業すべてが低下で、四半期ベースでみれば民間住宅建築の動きにはわずかながらも下げ止まりの兆しもうかがえるが、もともと単月単位での動きが不安定な公共工事が低下傾向にあり、これまで他の事業の弱さをカバーしてきた民間投資関連工事も低調で、今後の動きも不透明なものとなっている。
 総じてみれば、12月も内訳の各事業の傾向には大きな変化はみられず、建設業活動全体を復調に導くような動きには至っていない。これらから、12月時点の建設業活動全体の基調は、弱含み傾向が続いているといえる。

【関連情報】
2018年12月の建設業活動指数は前月比低下、公共工事が低調で全体の低下に大きく寄与。指数値は2016年初頭頃の水準に戻る。第4四半期も続落、建設業活動の弱含み傾向に変化はみられず。

全産業活動指数 調査結果

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