統計解説

9月のサービス産業活動、前月比大きくマイナス

「下支え役」不在 生活娯楽関連などマイナス大きく

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2018年で最も低い指数値

 2018年9月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値104.8、前月比マイナス1.1%と3か月ぶりの低下だった。前月8月の106台という高い指数値から大きな前月比低下となり、指数値104.8は、3月の104.9を下回り、本年で最も低い指数値となる。
 また、19か月ぶりに、前年同月比がマイナスとなった。1年半ぶりにサービス産業の活動が前年水準を下回ることとなった。

 2018年第3四半期、7-9月期のサービス産業活動指数は、指数値105.5、前期比マイナス0.4%と、2期ぶりに前期比低下となった。
 本年第1四半期の前期比低下から、第2四半期には回復したが、自然災害による鉱工業生産の低下もあり、サービス産業も2四半期ぶりの前期比低下となった。前年同期比は0.6%とプラスを維持したが、第2四半期までの1%を若干上回る伸びからすると、上昇幅も小さくなっており、四半期ベースでみても水準に停滞感が出てきたことは否定できない。

上昇寄与業種の動向は

 9月の業種別の動きみると、全11業種のうち、8業種が前月比低下、3業種が前月比上昇だった。
 低下業種の内で、低下寄与が特に大きかった業種は、卸売業と生活娯楽関連サービスだった。この2業種の低下寄与により、サービス産業全体の低下の半分以上を説明できる。この2業種に続いて、情報通信業、「運輸業,郵便業」の低下寄与が相対的に大きくなっている。
 上昇業種については、「金融業,保険業」、そして不動産業の上昇寄与が大きかった。また、上昇寄与は小さいものの、「医療,福祉」も前月比上昇だった。

 9月の低下寄与が特に大きかった卸売業は、前月比マイナス3.4%低下と大きな低下となった。指数値も91.6と、7月、8月の94台から大きく水準を下げている。さらに、第1四半期は95.4、第2四半期は96.4だったが、第3四半期の指数値は93.6と、四半期ベースでも勢いが弱く(前期比マイナス2.9%低下)、水準も低下している(前年同期比マイナス0.9%低下)。
 9月の卸売業の中では、産業使用者向け卸売業が前月比マイナス3.2%と4か月連続の前月比低下で、指数値も87.3と水準が大きく低下しており、勢いが悪くなっている。卸売業の内訳系列はおおむね元気がないが、特に、商社などの各種商品卸売業や、電気機械、自動車などの機械器具卸売業の低下によって、9月の卸売業は低下している。
 もう一つの低下寄与業種である、生活娯楽関連サービスは、前月比マイナス3.2%低下だった。8月の上昇幅が前月比3.8%上昇だったので、前月の上昇分もかなりの部分が、9月に低下してしまったことになる。悪天候の影響で低下した7月の生活娯楽関連サービスだが、8月はそこから回復した。しかし、9月も自然災害の影響もあって、ほぼ7月の水準近くに戻ってしまったことになる。飲食店等の外食サービスの低下のほか、スポーツ施設提供業も低下している。

対個人、対事業所の動向は

 サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができる。
 9月の対個人サービス活動指数は、指数値105.2、前月比マイナス1.1%と2か月ぶりの低下だった。対事業所サービス活動指数は、指数値104.6、前月比マイナス0.5%と5か月連続の前月比低下となった。勢いの弱い状態の対事業所サービスの動きをカバーしていた対個人サービスも9月は大きな低下となり、サービス産業全体が大きく低下することになった。

 9月のサービス産業全体の低下に対する影響度合い、低下寄与では、対個人サービスの低下寄与の方がかなり大きくなっている。しかし、やはり対事業所サービスが5か月連続で低下となっており、4月以前のサービス全体の変動に対して上昇寄与をみせることの多かった状態とは、5月以降、様変わりしている。

製造業向けの事業所向けサービスが低迷

 対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか否かによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算している。
 この数ヶ月の対事業所サービス活動指数の低迷の主な要因は、製造業依存型事業所向けサービスの低下にある。それぞれの指数の推移グラフを見ると、非製造業依存型も上昇の勢いのある推移とはいえないが、製造業依存型事業所向けサービスは一気に指数が低下しており、この9月の指数値は2015年以降で最も低いレベルに落ち込んでいる。ここのところ、鉱工業生産には「一部に弱さ」がみられるようになっており、その動きと同様に、製造業をビジネスの相手とする対事業所サービスが弱含んでいることになる。

9月の基調判断は、「足踏みがみられる」に下方修正

 9月のサービス産業活動指数は、3か月ぶりの前月比低下だったが、その低下幅はかなり大きくなった。指数レベルは、本年で最も低い指数値となった。5か月連続で前月比低下と、調子のあまり良くない対事業所サービスの落ち込みをカバーしていた、対個人サービスも大きく低下となり、サービス産業活動指数の「下支え役」が見当たらなかった。ここ数ヶ月、鉱工業生産において「一部に弱さ」がみられるようになっており、それに連なる形で、事業所向けサービス、特に、製造業依存型事業所向けサービスが、大きく低下していることによる指数の弱さが表面化したようだ。
 今年の7-9月期も2期ぶりに前期比マイナスとなっており、また9月の前年同月比も19か月ぶりにマイナスとなるなど、水準面でも停滞感が感じられるようになった。

 こうした動きを踏まえ、9月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「足踏みがみられる」と下方修正されている。

【参考情報】
結果概要のページ
参考図表集
就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)

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