METI Journal

経済産業省

個人向けサービス支えるアジアの「お客さま」

外国人消費指数(TCI)から見えてくる消費の実情

   
   

 訪日外国人消費指数(TCI)とは、訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化したものである。費目ごとに実質化することにより、日本国内の価格変化の影響を除外した動きを見ることができるようになる。
 訪日外国人の消費金額については、訪日外国人消費動向調査(観光庁)の訪日客1人当たりの費目別売上高に、訪日外客数(日本政府観光局)を乗ずることで算出している。
 また、費目ごとの実質指数を加重平均するウェイトは、サービス産業(第3次産業)活動指数と比較できるウェイトとして算出しており、国内のサービス産業の動向と訪日外国人消費の動きの関係を分析できるように設計している。また、試験的に季節調整を施しているので、前年比だけではなく、四半期の前期比も計算でき、足元の動きの方向感も見定めることができるようにしている。

    
    

 今回、2017年第4四半期の訪日外国人消費指数(TCI)の結果がまとまったので、そのポイントを紹介する。

5期連続の上昇

 2017年第4四半期に日本を訪れた外国人の数は約750万人と、当期も過去最高を更新した。訪日外国人1人当たりの旅行消費額は前年同期比プラス3.4%の上昇となった。結果、訪日外国人旅行消費額は、過去最高とはならなかったものの、前年同期比プラス27.8%と大きく上昇した。
 これらのデータを基に作成した2017年第4四半期の訪日外国人消費指数は、2010年を=100とした指数値で392.9、前期比5.4%上昇と5期連続の上昇となった。
 訪日外国人消費指数は、2017年に入ってから安定した上昇をみせているが、当期もその好調を維持していた。

   
   

年間・四半期ともにプラスに寄与

 訪日外国人消費が国内のサービス産業にどれ位のインパクトをもたらしたのかを確認するため、第3次産業活動指数の広義対個人サービスの動きに対する訪日外国人消費指数の寄与度の推移をみてみよう。

   
   

 2017年第4四半期について、対個人サービス全体の前期比に対するTCIの寄与をみると、対個人サービスの前期比0.2%上昇に対し、TCIは0.07%ポイントのプラス寄与となった。個人サービスに対し、訪日外国人消費は、基本的にプラス寄与を続けており、2017年第3四半期は、全体に対しかなり重要な寄与をみせたが、第4四半期の寄与は少し小さくなっている。
 とはいっても、2016年にマイナス寄与に転じた時期もあったが、その後は、当期まで5期連続でプラス寄与と、好調に推移している。

   
   

 なお、TCIの2017年の年間値についても、対個人サービス全体の前年比に対する寄与をみてみると、対個人サービスの前年比0.4%上昇に対し、TCIはプラス0.19%ポイントと、上昇寄与のおよそ5割を占めた。
 TCIは、2012年以降、2017年まで6年連続でのプラス寄与で、昨年2017年は、国内居住者による個人サービス消費の増分インパクトと同等レベルに達するほど、訪日外国人の消費行動の影響が高まった、と言えるだろう。

インパクト大きく

 2017年の訪日外国人旅行者数2869万人のうち、アジアからの訪日客は2326万人、欧米からの訪日客は253万人だった。旅行消費額をみても、全体の4兆4000億円のうち、アジアからの訪日客による消費額は3兆4000億円、欧米からの訪日客による消費額は5000億円であり、訪日客、消費額ともに、全体に対する割合は、おおむねアジアが8割、欧米は1割となっており、アジアからの訪日客による消費額が非常に大きいことがわかる。

   
   

 2017年第4四半期の訪日外国人消費指数全体の前期比変動に対するアジア指数と欧米指数の寄与をみると、2017年第4四半期は、全体の前期比5.4%上昇に対し、アジアは5.44%ポイント、欧米は1.22%ポイントと、ともにプラスに寄与した。欧米も、前期のマイナスから、当期のプラスへ転じたが、当期もやはりアジアの寄与が非常に大きくなっていた。

   
   

 2017年は、年間でみても、第4四半期でみても、訪日外国人消費の伸びは、引き続き「アジアからのお客さま」による影響が大きく出ていた。 ただ、「欧米からのお客さま」についても、2017年第3四半期のマイナス寄与から一転、第4四半期には再びプラスの寄与となったので、今後の動向は引き続き要注目です。
 費目別での訪日外国人消費指数の推移のほか、中国及びアメリカの1人当たり消費額の変化についても分析してみたので、下記のリンクをご覧頂きたい。

関連情報

引き続き好調を維持した29年第4四半期の訪日外国人消費指数。29年の個人サービスの前年比上昇の半分は、2800万人を超える訪日外国人の日本国内における消費行動によるものだった。

ミニ経済分析「2017年第4四半期の訪日外国人消費指数の動きと中国・アメリカの1人当たり消費額(母国通貨建て)の変化」のページ

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