統計解説

国内生産で存在感際立つ業種とは

「グローバル出荷指数」から浮かび上がる製造業のいま

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 日本の製造業の全体像は、国内拠点の動向だけでは把握できないため、海外現地法人の出荷(販売)と国内拠点の出荷とを合算した「グローバル出荷指数」を試作している。そのうち、少し特異な動きをしている、はん用・生産用・業務用機械工業(以下、「はん用等機械工業と略称」)のグローバル出荷の動きについて、紹介していく。

異なるバランス

 はん用等機械工業では、国内拠点からの出荷の動きとグローバル出荷の動きがほぼ連動していた。いわゆるリーマンショックによる落ち込みから、回復しはじめた2009年以降、海外出荷の回復に勢いがあったことも確かだが、国内出荷が全体を主導するという構造に変化はないようだ。

   

 一方、輸送機械工業では、海外拠点からの出荷が伸びて、グローバル出荷が伸びるという指数の動きが明瞭で、はん用等機械工業の国内と海外のバランスとは異なっている。
 

   

国内出荷中心なのは

 グローバル出荷に占める海外現地法人の出荷の比率を「出荷海外比率」と呼んでいるが、それをはん用等機械工業と輸送機械工業とで比較してみると、はん用等機械工業では2割程度の安定推移である一方、輸送機械工業では2017年の5割に近い水準にまで継続的に上昇している。

   

国内生産が伸びている

 はん用等機械工業の内訳品目の中で国内生産が伸びているのは、産業用ロボットで、2017年の生産量が2010年比で2倍になっている。生産量が2倍になっている鉱工業指数採用品目は、産業用ロボットと輸送機械工業の航空機部品のみで、この産業用ロボットの伸びは特筆されるべきものだ。そのほか、はん用等機械工業の中では、建設機械、金属工作機械、半導体・フラットパネル製造装置などの国内生産が大きく伸びている。

   

国内生産中心の投資財生産

 生産面でもグローバル化の進んでいる輸送機械工業と異なり、はん用等機械工業では、出荷海外比率が2割程度の安定推移だ。同工業の国内生産では、産業用ロボットなど、設備投資向けの品目が伸びており、国内外の投資需要の盛り上がりに対し、はん用等機械工業が国内生産中心で対応していることが読み取れる。
 グローバル出荷指数を分析することで、はん用等機械工業のように、日本国内の生産の存在感が大きい業種の存在も見いだすことができた。

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