METI解体新書

秘書官の世界をのぞいてみよう

経済産業省 大臣政務官室 松田 圭介秘書官

 経済産業省という複雑な組織を「解体」して、個々の部署が実施している具体的な政策について、現場の中堅・若手職員が分かりやすく説明する「METI解体新書」。

 第4回は、「秘書官」として政務官をサポートする、大臣政務官室の松田 圭介秘書官です。

政と官の架け橋をサポート

 霞ヶ関の「秘書官」の仕事を、知らない人も多いと思います。そもそも「大臣政務官」とはどのような存在か、ご存じでしょうか。

 まず、大臣政務官の役割は、法律に規定されています。大臣を助け、特定の政策や企画に参画し、政務を処理すること、つまり大臣のサポートが役割です。例えば経済産業省の大臣政務官は、日々、国会での答弁、G7など国内外の会議への出席、経済産業省が関係するイベントでの挨拶などを行っています。また、省内の関係部署と政策に関する議論や意見交換を行うこともあります。

 そのような大臣政務官の公務が、しっかりと適切に、円滑に執行されるように最大限サポートするのが秘書官の仕事です。多岐にわたる経済産業省の施策は、概要を把握するだけでも大変。各施策について知識面でサポートするのは秘書官の役割です。また、政務官には国会議員としての活動もあるため、スケジュール管理や調整も重要なミッションの1つ。出張には必ず同行します。全ての関係書類や、訪問先の資料を持ちあるくため、いつも大きなカバンを持ち歩いています。運動量が増え、着任時より体重が落ちました(笑)。

 また、省内で政務官と若手職員との意見交換会を複数回にわたって開催するなど、政務官と職員の距離を縮める機会を意識的に作りました。政務官は、政と官の架け橋とも言えますが、秘書官として、その架け橋のサポートを心がけています。

視点の幅が広がる

 秘書官の仕事は、通常の職員の仕事と異なるため、最初は戸惑うこともありました。マニュアルはありますが、本人の意向と異なる可能性もあるので、一つ一つ確認します。細かいことでは、車で同乗する際に自分が座る位置、飛行機や新幹線のお互いの座席配置など、政務官と行動を共にする秘書官として、円滑なコミュニケーションを図るために知っておきたい点が複数あります。一対一のお付き合いで、どのような関係性が良いかは人により異なります。確認できることとできないことがありますが、語らずとも「暗黙の了解」として理解し、日々改善することを心がけています。

 政務官は「政治家」と、経済産業省の「大臣政務官」という2つの立場があるため、コミュニケーションをとる際には、どちらの立場で話しているのか、自分はどう回答するのが正しいのか、その時々で判断することが必要です。役所の立場で話すこともあれば、国会議員として地元や支援者の声を聞くこともあり、両方の面から政策について意見を言うこともあります。難しい点ですが、視点の多角化にもつながります。政治家と役人は立場が異なり、視点も違うので、考えの幅が広がります。

皆が気持ちよく仕事ができるように

 コロナ禍でも効率よく働けるよう、「レク」と呼ばれる担当課室からの説明は、リモートで対応しています。秘書官業務もリモートです。政務官はお子さんも小さく、育児と仕事の両立にも力を入れています。新しい働き方を積極的に取り入れるため、秘書官室の働き方の効率化にもつながっています。秘書官室は3人しかいないので、私もメンバーとの関係をとても大切にしています。出張に行く時にお土産のリクエストを毎回確認していたら、「気を遣いすぎ」とメンバーに言われましたが(苦笑)。全体がうまく回るように、皆が気持ちよく仕事ができるようにすることが自分の役割だと思っています。

 音楽が好きなので、休日はボイストレーニングのレッスンを受けて気分転換をしています。歌うジャンルはJ-POPがメインですが、最近はガンダムの歌が課題に出ました(笑)。コロナ禍で歌う機会が限られていて残念です。

 秘書官の仕事は、あまり周囲に知られることもなく、表舞台に出ることもありませんが、通常は得られない視点で物事を考える経験ができます。他の部署にはない、貴重な経験だと思っています。