統計解説サービス業製造業

スマホゲーム全盛だけど、定番ゲームはやっぱり強い

ゲーム・ビジネス・インデックス指標

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 スマホゲーム全盛という印象もあるが、どっこい定番ゲームソフト製作・発売の威力、魅力は侮れない。 

 ゲーム産業の動向をみるために、経済産業省生産動態統計調査、第3次産業活動指数、その他関連統計を基に、ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)という指標を試算した(注1)。

GBIの作成方法

ゲームビジネス全体が複雑化

 リーマンショック後の大幅な下落傾向が2011年頃に底を打ったものの、回復は緩やかで一進一退を続けている。リーマンショック直後の大幅な下落の要因はハードウェア(ゲーム機)の落ち込みによるものだったが、回復の主な要因となっているのは、ソフトウェアの開発・販売(特にコンテンツ配信)によるものだ。リーマンショック直後よりも、1年以上遅れて現れた影響のほうが大きいなど、売上の要因としてコンテンツの魅力が大きく、開発費用が絞られると後に売上の低下となって現れるという業界の特徴が見られる。

 さらにゲームのビジネスは、専用のゲーム機やゲームソフトを用いてプレイするゲームに加えて、近年、スマートフォンやパソコン、タブレット端末といった汎用機を介してプレイするゲームが急速に広まっている。ゲームソフトについても、ダウンロード販売やインターネット配信など販路が拡大している。ビジネスモデルとして、無料でゲームを提供して、ゲーム内で利用できるアイテム(追加コンテンツ)が欲しいプレイヤーに課金してゆくビジネスモデルが広まっているなど、ビジネス全体がより複雑になっている。

 2016年には、スマートフォンを片手に、現実の世界を歩いてポケモンを捕まえるという、拡張現実(現実世界にデジタルの情報を重ねて表示する)の技術を用いたゲーム「ポケモンGO」が一大ブームを巻き起こした(注2)。旧来のゲーム専用機向けゲームについても、11月に「ファイナルファンタジー15」や、携帯ゲーム機向けの「ポケットモンスターサン・ムーン」が発売されて人気を呼んだ。

上昇に寄与したのは?

GBIの推移  

 GBIは、2015年の第2四半期から2016年第1四半期に向けて緩やかに上昇した後、2016年の第2、第3四半期にいったん下落したものの、第4四半期に急上昇した。

GBI前期比の寄与度分解

 GBIは、国内生産者のゲーム機の販売動向(海外向け出荷を含む)を示す「ハードウェア・インデックス」と、ゲームソフトの開発、製造元と、コンテンツ配信業者の売上を合成した「デベロッパー&パブリッシャー・インデックス」、消費者のテレビゲーム機とゲームソフト支出額を合成した「流通・小売・インデックス」で構成されている(注3)。

 これらの系列について、GBIの前期比への寄与を示すグラフを、2015年第2四半期以降に注目して見てみると、2015年第4四半期と2016年第4四半期のデベロッパー&パブリッシャー・インデックスの上昇寄与が目立つ。デベロッパー&パブリッシャー・インデックスは、ソフトウェア開発からパッケージの製造、販売、配信まで、ゲーム産業の幅広い部分を含む指数ですが、何が要因で上昇したのか。

FF、ポケモンは強し

コンテンツ配信業務とゲームソフトの動向

 上のグラフは、第3次産業活動指数のインターネット附随サービス業の内訳であるコンテンツ配信業務と、ソフトウェア業の内訳であるソフトウェアプロダクトのうち、ゲームソフトの動向である。前者は、近年盛んなスマートフォン等の汎用機配信型のゲームの動向を、後者は、旧来のゲーム専用機でプレイするゲームの動向を反映しているとして比較した。

 2015年は主に配信型が急激に上昇しているが、2016年第1四半期をピークに下落に転じており、代わって、2016年第4四半期にはゲーム機専用ソフトが急上昇している。「ファイナルファンタジー15」や「ポケットモンスターサン・ムーン」が発売されたのはちょうどこの時期。
スマホゲーム全盛という印象もありますが、どっこい、定番ゲームソフトの製作・発売の威力、魅力は侮れない。

 なお、2016年第4四半期は、流通・小売・インデックスも上昇に寄与していた。ゲームを購入するタイミングは、年末(クリスマス向け)だけではなく、お年玉をもらった年明け以降も考えられますし、新製品の発売にも影響を受けると思われる。

 2017年3月には据置型と携帯型の中間に位置づけられるような新機種「Switch」が発売された。リーマンショック以降元気のないハードウェア・インデックスへの「活」となるのか、GBIの推移から目が離せない。

注1:ここで言う「ゲーム」は、コンピュータープログラムを利用したデジタルコンテンツであるゲームと、それをプレイするためのハードウェアを指す(カードゲームやボードゲーム等は含まない)。なお、ハードウェアには、ゲームセンター等で提供される業務用ゲーム(アーケードゲーム)と、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等の汎用機は含まない。
注2:ただし、ポケモンGOについては、開発・運営等の売上がGBIの元となる統計データに反映されないことから、GBIには反映されていない。
注3:流通・小売・インデックスは家計消費の動向から推計しているため、本来見るべき小売業・卸売業の動向より遅行している可能性がある。

関連情報

ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20160317minikeizai.html

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