60秒解説

脱炭素社会の実現に向けた「グリーン成長戦略」


2020年10月、日本は、温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに目指すことを宣言した。グリーン成長戦略は、この目標を達成するため、産業構造や経済社会を変革し、次なる成長に繋げるための羅針盤だ。民間の大胆な投資を促すよう、成長が期待される分野の特定、目標工程の設定や、投入する政策リソースなどの明確化を目的としている。

電力部門の脱炭素化は大前提

電力部門の脱炭素化には、洋上風力発電をはじめとした再生可能エネルギーの最大限の導入が欠かせない。
火力については、CCUS・カーボンリサイクルや水素発電・アンモニア発電の技術開発を進め、選択肢として最大限追求していく。
確立した脱炭素技術である原子力については、可能な限り依存度を低減しつつも、安全性向上を図り、引き続き最大限活用していく。

スマートな脱炭素社会

電力部門以外では、運輸部門や民生部門など、これまでエネルギー源を化石燃料に頼っていた分野の電化・水素化等を促進し、さらなる脱炭素化を目指す。
電源構成が大きく変化することも踏まえ、再エネが接続しやすい電力系統の整備、蓄電池の活用、そして電力利用全体をスマート化するための投資を含めたインフラ整備も、電源の脱炭素化と並ぶ車の両輪である。

政策ツールの総動員

こうした変革を強力に推し進めるため、あらゆる政策を総動員する。
予算面では、特に重要な技術開発や社会実装を目指す企業を支援するため、10年間で2兆円の基金を創設した。税制面からも、脱炭素化に貢献する生産設備や生産工程の導入に対する投資、イノベーション創出に資する研究開発を促進する仕組みを構築する。また、脱炭素化に取り組む企業が資金調達をしやすい金融環境の整備を行う。規制改革や国際標準化を通じて必要な技術の社会実装を加速する。
今後、重点分野における計画の着実な実施、目標や対策の更なる深掘りについて検討を深めていく予定だ。

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