統計解説

3月のサービス産業活動 外出自粛や休業要請で前月比急落

新型コロナ 生活娯楽関連や運輸,郵便業に打撃


 本年3月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値96.9、前月比マイナス4.2%と2か月連続の低下となった。
 サービス産業活動は昨年10月に大幅に低下した後、11月以降、3か月連続で活動水準を戻してきたが、2月は前月比マイナス0.7%と、やや大きめの低下となったのに続き、3月は大幅な低下となった。
 もともと2月は、1月までの連続上昇や1月の春節によるインバウンド需要増からの反落に加え、宿泊業、旅行業、「飲食店,飲食サービス業」などの生活娯楽関連サービスを中心に、新型コロナウイルス感染症の影響も現れ始め、やや大きめの低下となったが、3月はその影響が大きく広がったことにより、指数値は急落した。3月の低下幅(前月比マイナス4.2%)は、2014年4月や2019年10月の前月比マイナス5.5%に次ぐ大きさとなっており、指数値96.9は、2015年を100とする今基準内で最低の水準となっている。

小売業も5か月ぶりの低下

 3月の業種別の動きをみると、7業種が前月比低下、4業種が前月比上昇という結果となった。

 特に低下寄与が大きかった業種は、生活娯楽関連サービス、「運輸業,郵便業」、小売業が挙げられる。2月も低下していた生活娯楽関連サービス、「運輸業,郵便業」が3月も低下したことに加え、2月は上昇していた小売業も、3月は低下となった。
 生活娯楽関連サービスに関しては、3月は前月比マイナス24.8%と、2か月連続の低下となり、急激に低下している。3月は特に、「飲食店,飲食サービス業」、遊園地・テーマパーク、スポーツ施設提供業、宿泊業が低下した。3月は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の一方、2月下旬からの大規模イベント自粛要請や、各都道府県知事からの週末の外出自粛要請などもあり、これらの業種での利用客数の顕著な減少や休業、インバウンド需要減少等の動きが低下に大きく影響したものと考えられる。指数値、低下幅とも、今基準内でも群を抜いて低い最低値となった。
 「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス16.7%と、2か月連続の低下となった。特に旅客運送業が、前月比マイナス50.1%と大きく低下し、内訳の鉄道、道路、水運、航空ともすべて低下した。3月はイベントの自粛や外出・出張などを控える動きを通じて、新型コロナウイルス感染症の影響が国際のみならず国内旅客運送全般にも拡大した形となり、指数値、低下幅とも、やはり今基準内でも群を抜いて低い最低値となった。
 小売業は、前月比マイナス5.2%と、5か月ぶりの低下となった。新型コロナウイルス感染症の影響で、営業時間の短縮や休業、インバウンド需要の減少などもあり、織物・衣服・身の回り品小売業やその他の小売業(別掲を除く住関連)、各種商品小売業等が低下した。

「対個人」の低下大きく

 サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができる。
 3月の対個人サービス活動指数は、指数値93.8、前月比マイナス6.4%と2か月連続の低下だった。対事業所サービス活動指数は、指数値100.0、前月比マイナス2.1%と2か月連続の低下だった。3月は対個人サービス、対事業所サービスともに低下していたが、感染症の感染拡大による外出自粛や営業時間短縮、休業等の影響をより直接的に受けた対個人サービスの方がより大きく低下した。

「製造業依存型事業所向け」も3か月ぶりに

 対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算している。
 3月は、製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス2.3%と3か月ぶりの低下だったが、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス2.5%と、2か月連続の低下となった。
 製造業依存型事業所向けサービスは、昨年10月、12月と低下した後、本年1月以降、上昇が続いたが、3月は低下することとなった。他方、非製造業依存型事業所向けサービスは、2カ月連続の低下となった。

経済情勢の影響受けやすい「し好的個人向け」

 対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算している。
 それぞれの動向についてみてみると、3月は非選択的個人向けサービスは前月比0.4%と横ばいを挟んでの2か月ぶりの上昇であった一方、し好的個人向けサービスは前月比マイナス15.4%と2か月連続の低下だった。昨年10月に大幅に低下していた、し好的個人向けサービスは、その後3か月連続で戻していたものの、2月以降再び低下となり、特に3月は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により大きく低下した形となった。

基調判断を下方修正

 本年3月のサービス産業活動指数は、前月比マイナス4.2%と、2か月連続の前月比低下となった。サービス産業活動は、11月以降は3か月連続で上昇していたものの、2月からは新型コロナウイルス感染症の影響も現れ始め、やや大きめの低下となっていたが、3月はその影響が大きく広がり、活動水準は急落した。
 特に、3月は対個人向けサービスの方が低下し、その中でもし好的個人向けサービスが大きく低下に寄与した。新型コロナウイルスの感染拡大により、インバウンド需要が蒸発したのみならず、各種の自粛の広がり、営業時間短縮・休業などが大きく影響し、個人の消費が幅広く手控えられたことが要因として考えられる。
 4月も新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出され、16日にはその対象が全都道府県に拡大したことも考えると、サービス産業活動は今後も低い水準が続くことが見込まれる。
 こうした状況を踏まえ、サービス産業(第3次産業)活動指数の3月の基調判断としては、「急落している」と下方修正し、先行きを注視していきたい。

【関連情報】

結果概要のページ

参考図表集

『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)