統計解説

製造工業の生産 4月もマイナスの公算大

 
 本年4月上旬に実施した、4月、5月の企業の生産計画を調査した、生産予測調査の結果である。
 4月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比1.4%の上昇を見込むという結果になっている。ただ、この企業の生産計画には上方バイアスが含まれている。この4月計画値に含まれるバイアスを例年の傾向に基づき補正して、4月の鉱工業生産の実績を推計試算してみると、最頻値では前月比マイナス1.3%程度の低下、90%の確率で収まる範囲はマイナス2.3%~マイナス0.4%の間、という計算結果となっている。
 一方、5月の生産計画は、補正前の4月計画値から前月比マイナス1.4%低下する計画となっている。
 ただし、今回の調査結果は、4月当初の生産計画に基づくものだが、4月上旬以降も、新型コロナウイルス感染症の影響は世界的に拡大・継続しているのみならず、わが国でも新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が行われ、16日には全都道府県が緊急事態措置の対象となるなど、その影響は内外ともに広がっている。そうした情勢変化の影響は十分には織り込まれておらず、また企業も先の見通しを立てることが難しくなっている。そのことに留意して今回の調査結果をみる必要がある。

4月計画は7業種で上昇

 4月の生産計画では、全体11業種のうち、7業種が前月比で上昇、4業種が低下となっている。生産用機械工業、電気・情報通信機械工業、化学工業などが上昇寄与業種として挙げられる。
 他方、低下寄与業種は、輸送機械工業、鉄鋼・非鉄金属工業、パルプ・紙・紙加工品工業となっている。

5月計画は5業種が低下

 5月の生産計画では、全体11業種のうち5業種が前月比で低下、6業種が上昇となっている。輸送機械工業、鉄鋼・非鉄金属工業、汎用・業務用機械工業などが低下寄与業種となっている。
 他方、上昇寄与業種は電機・情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、生産用機械工業などとなっている。

 なお、仮に企業の生産計画通りの前月比で生産が行われると、4月の鉱工業生産の指数値は97.1、5月の指数値は95.7となる。
 一方、4月計画に含まれるバイアスを例年の傾向に基づき補正すると、4月は最頻値で前月比マイナス1.3%となり、その場合の指数値は94.6となる。ただ今回の調査結果には、冒頭述べたように、新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢変化の影響は十分には織り込まれていないため、例年の傾向より下振れする可能性もある。
 鉱工業生産は、3月は大幅に低下したが、企業の生産計画からは、4月も低下の可能性は高く、5月も低下が見込まれる状況だ。生産は今後も、厳しい状況が続くものと考えられる。今後の生産動向も引き続き注意してみていきたい。

【関連情報】

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参考図表集

マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」