統計解説

2020年1月の鉱工業出荷 「内需」「外需」ともに前月比マイナス

水準も昨年比で落ち込む

 
 本年1月の鉱工業出荷は、季節調整済指数で96.9、前月比0.2%と若干の上昇だった。内需(国内向け出荷)は前月比マイナス0.7%と3か月ぶりの低下、外需(輸出向け出荷)は前月比マイナス0.2%と3か月連続の低下だった。国内向け出荷、輸出向け出荷ともに低下となった。
 出荷水準をみると、まず国内向け出荷指数については、1月の指数値は96.6となった。国内向け出荷は昨年10月に大幅に低下した後、11月、12月と小幅に戻していたが、本年1月は再び低下し、水準としては、現行2015年基準での最低水準である昨年10月の96.4に近い、今基準内3位の低水準にとどまっている。
 輸出向け出荷指数は、本年1月の指数値は95.9となり、昨年11月以来3か月連続で低下している。水準としては2016年5月の指数値95.8以来の水準まで低下している。
 国内向け出荷と輸出向け出荷の動きを比べてみると、2018年後半以降、輸出向け出荷は低下傾向が続いているのに対し、国内向け出荷は、昨年第3四半期までは目立った低下傾向はみられなかったが、昨年第4四半期に入り、両者ともに大きく低下した。本年1月も、ともに低下となり、それぞれ出荷水準は昨年と比べても大きく低下している。

汎用・業務用機械工業などの低下大きく

 1月の国内向け出荷の業種別動向をみると、12業種中8業種が前月比低下だった。特に低下寄与が大きかったのは汎用・業務用機械工業だった。なかでもボイラ・原動機、運搬装置などが低下した。
 それに次ぐ低下寄与をみせたのは石油・石炭製品工業だった。なかでも石油製品が低下した。

 1月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、12業種中6業種が前月比低下となった。特に低下寄与が大きかったのは生産用機械工業だった。なかでも半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置、金属加工機械などが低下した。
 次いで、化学工業(医薬品を除く)の低下寄与が大きかった。なかでも化粧品、プラスチックなどが低下した。

気になる海外の設備投資需要

 1月の需要先別用途別分類(財別分類)の国内向け・輸出向け出荷の動きを比較してみる。
 まず、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財については、国内向け出荷は前月比横ばいだった。輸出向け出荷は前月比0.2%と3か月ぶりの上昇だった。
 設備投資向けとなる資本財(輸送機械を除く)については、国内向け出荷は前月比マイナス5.3%と2か月ぶりの低下だった。12月は前月比18.3%と大幅に上昇し、10月、11月の大幅な低下分の多くを取り戻したところだが、1月は再び低下となった。一方、輸出向け出荷については、前月比マイナス6.0%と2か月ぶりの低下だった。11月にマイナス9.2%と大幅に低下した後、12月は小幅に戻したものの、1月は再び大きく低下した。今年は春節(旧正月)が1月であった影響も一部あるものの、今後の海外の設備投資需要動向が気になるところである。
 建設財については、国内向け出荷は前月比マイナス1.7%と2か月ぶりの低下だった。輸出向け出荷は前月比マイナス1.4%と2か月連続の低下だった。

 消費向けの財では、まず耐久消費財の国内向け出荷は前月比6.4%と2か月ぶりの上昇となった。輸出向け出荷については、前月比9.2%と5か月ぶりの大幅な上昇となった。耐久消費財の国内向け出荷の上昇については、昨年12月の大幅な低下からは反発した形である。ただ、出荷水準としては依然、大幅な低下となった昨年10月とほぼ同程度の水準にとどまっている。一方、輸出向け出荷の上昇については、9月以降低下傾向にあった乗用車が、1月は上昇に転じた影響が大きかったようだ。出荷水準も、昨年9月に低下に転ずる前の8月に近い水準まで上昇した。
 非耐久消費財については、国内向け出荷は前月比2.8%と2か月ぶりの上昇、輸出向け出荷は前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下となった。非耐久消費財の国内向け出荷については、昨年12月の低下から反発し、出荷水準については、大幅に低下した昨年10月の水準を上回っている。
 国内向け、海外向けそれぞれの財別の寄与度でいうと、国内向け出荷では耐久消費財、非耐久消費財は上昇したものの、特に資本財が低下に寄与した。
 一方、輸出向け出荷では、耐久消費財等は上昇したものの、資本財等が低下した。

ASEAN、米国向けなど上昇だが

 1月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、ASEAN向け、米国向けなどは前月比で上昇したものの、中国向けなどが前月比で低下し、輸出向け出荷は3か月連続の低下となった。

 アジア向け出荷指数の動向をみると、ASEAN向け、韓国向けについては1月は上昇したものの、中国向けは低下となった。中国向けの低下は1月は大きめなものとなっており、今年の春節(旧正月)が1月であった影響もあるものの、今後の動向が気になるところである。

 欧米向け出荷指数の動向をみると、米国向けは上昇したものの、欧州向けは低下となった。